すだゆうと
ペルソナ法とは…調査などをもとにしてユーザーのデータを統合して架空の人物を記述しデザインに利用する
という手法で、もともとクーパー社(ユーザーエクスペリエンスデザインと戦略のコンサルティング会社)を率いるAlan cooperによって生み出されました。
この概念の背景には、多くのユーザーに合わせて最大公約数的に機能を拡大していくと、結局誰にとっても使いにくいものになってしまうよね!という考え方があります。ここから、特定のユーザーを具体的に考慮することで、最終的にいろいろな人にとって使いやすいものを作れるという考えが導き出されました。
定量データや多くの情報をもとに詳細な情報まで設定したペルソナは、1つの人格のようなものです。ペルソナのニーズを満たすような製品を考えることは、そのほかの多くのユーザーのニーズを満たすことにつながり、結果的にユーザー視点の精度を高めることができます。ユーザー視点の精度を高め、ユーザーが求めるものを製品に集約すれば、製品の完成度を高めることにもつながります。
結局プロダクトを使ってくれるのは「人」というお話が前回のワークの最初でありました。使ってくれる人すなわちユーザーが何を考え、どのような場面でどんな行動をするかを把握しておく必要があります。一般に商品企画を行う際には、年齢層や性別、居住地といった定量的な属性の組み合わせとして「ターゲット層」が定義されます。
たとえば女性向けの化粧品なら、「30代、女性、主婦、既婚者」といった具合ですね。しかし、こうした属性情報の組み合わせだけでは、生き生きとしたユーザーの姿を思い浮かべることはできません。そこで、ターゲットの属性情報に加えて趣味や性格、ライフスタイル、好きな雑誌…といった定性的な情報を肉付けし、よりあたかも実存する人物のようなペルソナを定義するのです。
ペルソナを定義しておくことで、カスタマージャーニーの検討やコンテンツ設計といった様々な場面で、「ペルソナのタナカさんならどうするだろう?」…というように、よりユーザーの視点に立って考えることができるようになります。
属性情報の組み合わせであるターゲット設定だけでは、見る人によって解釈に差異が出てしまう懸念があります。具体的なペルソナを関係者全員で共有することで、認識のブレ幅を最小限に抑えることが可能となります。
担当者間で認識がズレたままでは、無駄な作業が発生したり、スケジュールが遅れるといったトラブルになりかねません。ペルソナという1人の代表的な人格を設定することで、異なる分野の担当者とも共通の人物像をイメージすることができ、効率よくプロジェクトを進行することができます。
ペルソナの作成方法は多岐に渡りますが、どんな方式であれ作成目的を達成できるかどうかを考えて書くことが大切になります。数あるペルソナ記述法の中で、今回の記事はPutting Personas to Work in UX Design: What They Are and Why They’re Important
というAdobe社が出している記事を参照しています
こちらの記事→(https://xd.adobe.com/ideas/process/user-research/putting-personas-to-work-in-ux-design/)
すでに決めてあるターゲットを対象に、インタビューやアンケートを行います。年齢などの基本情報から、プロダクトに関わる質問を聞きましょう。例えば、オンライン通販サイトに関するインタビューであれば、使用デバイス、買い物の内容、予算などなど聞いていきます。ここで完全な想像で作ってしまうと今後のプロセスが全て根拠のない情報の土台の上に出来上がってしまうので重要なパートです!
次は調査から分析パート!調査結果から多くのインタビュイーに共通しているような行動パターンを見つけます。例えば、上記に続いてオンライン通販サイトに関するインタビューの場合、複数の人が「商品を買う前に他のサイトも見にいっている」という行動を述べたとします。この人たちは他の質問に対しての回答は異なっているかもしれませんが、ここでより重要なのは違いよりも共通点なので「商品を買う前に他のサイトも見にいっている」ことは行動パターンとみなすことができます。
ユーザーを理解するのに十分な理解と共感を表現するような方法でペルソナを作り上げましょう。このステップでは多くの個人情報をデタラメに追加することを避けます。詳細が多すぎると気が散り、分析ツールとしてのペルソナの信頼性が低下するからです。
今回の記事ではペルソナを開設してきましたが、ペルソナに関しては様々な意見があり、ペルソナばかりに頼ることに警鐘を鳴らす人もいます。理由としては、「結局は存在しない架空の人物でありその人を用いてプロダクト開発に活かすのは難しいから」以下引用です。(引用元:https://note.designing.jp/n/n12ebf3e00d33)
私たちはペルソナに家族や職業、持ち家、車、ペットの有無などの特徴を与える。名前を、仮にテッドとしよう。プロダクト開発ではこのようなディスカッションが行われる。「テッドはこのプロダクトの機能を使うだろうか、気に入ってくれるかな?」「テッドのプロフィールから推測するに、これはテッド向きじゃないかもしれませんね」…テッドってそもそも誰だ?結局のところ、誰もテッドが何を気に入るか知らない。そもそもテッドは存在していないのだから。そんなことは当然だと思うだろう。しかし、理解しつつも、テッドが存在しないことを忘れてしまうケースは多い。細かい設定を加え、テッドを人間らしくするにつれ、私たちはテッドが実在しないという前提を忘れてしまう。無意識にテッドをステレオタイプに当てはめていることにも気づかない。
どれだけユーザー調査に基づいて作ったとしても、自分たちの都合のいいように設定をしてしまう危険性があるということです。そんな事態を避けるためペルソナ・スペクトラムという方法を提唱しいている方もいらっしゃいます。詳しくは上記の文章を引用元であるこちらの記事をご覧ください。
すだゆうと
ヒトと認知が好き。ソフトウェアデザインを専門に学習しています。趣味は野球観戦と本を読むことです。
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